月経のお悩み

月経(生理)にまつわるお話

月経は、女性特有の症状で、大事な体の仕組みでもあります。
その一方で月経痛(生理痛)や月経前症候群(PMS)は、精神的にも体にもあらゆる不調を招く原因にもなります。

つらい生理痛、経血量の多さ、生理前のイライラ、自分ではコントロールできない感情の浮き沈みがあるにも関わらず我慢している方も多いのではないでしょうか。

当院では、月経をコントロールして日常を楽に過ごせるようサポートします。

お気軽にご相談ください。

【画像】腹痛の女性

女性特有の健康による社会の影響

経済産業省が2024年2月に公表した、女性の婦人科疾患の経済損失を試算した興味深いデータがあります。
月経痛、月経前症候群などの月経随伴症状の経済損失は、約5,700億円。
その他、更年期症状、婦人科がん、不妊治療の項目を足すと、約3.4兆円にのぼることが明らかになっています。

月経やPMSで欠勤やパフォーマンス低下など、誰しも経験があるのではないでしょうか。
データでみても、月経月経は女性だけの話ではなく、社会でも問題として注目され始めました。

【イラスト】オーバーワーク

社会に出る前に、月経をコントロールしよう

学生の方でも、学校に行けないほどの月経痛に悩まれている方は少なくありません。
そのまま対処せず社会に出ると、生活環境の変化や仕事によるストレスが加わり、症状が悪化してしまう可能性があります。
“受診したくても、忙しくて時間がない”となる前に、学生のうちから月経をコントロールすることが大切だと考えています。

月経(生理)にまつわる疾患

  • 月経前症候群(PMS)
  • 月経困難症(生理痛)
  • 月経周期の異常(生理不順)

月経前症候群(PMS)

月経前症候群は“Premenstrual Syndrome”の略称でPMSと呼ばれています。
月経がくる10日前から数時間前まで、自分の感情をコントロールできなくなったり、体のむくみや肌荒れ、異常な眠気をセーブできなかったり様々な症状が現れます。
生理が来るとともに、徐々に症状が和らいでいくのも特徴です。
なぜ月経前症候群が起こるかは、はっきりと分かっていませんが、女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲストレン」が月経前に大きく変動することが影響していると考えられています。

【イラスト】基礎体温表と女性ホルモンの図

月経前症候群の主な症状

ココロの不調

  • イライラして怒りっぽい
  • 憂うつ
  • 情緒不安定
  • 普段は気にならないことが気になりだす
  • ぼーっとする
  • 家族やパートナーにやつあたりしてしまう
  • 集中が続かない
  • 突然泣きたくなる
  • 気が立っている状態

カラダの不調

  • ニキビなどの肌荒れ
  • 眠気
  • 疲れやすい
  • だるさがある
  • 下腹部痛
  • むくみ
  • 腰が痛い
  • 下腹部のはり
  • 過食する

月経困難症(生理痛)

日常生活に支障をきたすほどのつらい月経痛や経血量の多さ、不快感がある状態を月経困難症といいます。
症状自体は、月経直前あるいは開始とともに症状が発現し、月経終了とともに徐々に消失していきます。

月経困難症の主な症状

  • 下腹部痛
  • 腰痛
  • 腹部膨満感
  • 悪心
  • 頭痛 など

市販薬でやり過ごしている方、月経時期は学校や会社を休んでしまうなどの症状がある方、ドロッとした塊のある経血がでる方などは一度当院へご相談ください。

月経困難症の種類

機能性(原発性)月経困難症と、器質性(続発性)月経困難症の2つに分けられます。

機能性月経困難症

骨盤内に器質的な疾患はないが、月経困難症を伴うものをいいます。
好発年齢は10代後半〜20代前半以降です。

器質的月経困難症

子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などが原因となって、月経困難症を引き起こす疾患です。
30歳以降でよく見られます。

月経周期の異常(生理不順)

月経周期の異常とは

通常の周期よりも短い(21日以下)または長い(35日以上)周期のことを指します。
原因にはホルモンバランスの乱れ、ストレスや体調の変化、食生活の乱れ、運動不足、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮筋腫、子宮内膜症などがあります。
生理不順は体に悪影響を与えることはありませんが、別の疾患が隠れていたり妊娠をするときや生活のリズムを整えるときに困ることがあります。

正しい月経周期とは?

一般的に、月経周期は生理の開始日から次の生理の開始日までの日数で計算されます。
月経周期は個人によって異なり、平均的な周期は約28日ですが、21日から35日程度の範囲であることが一般的です。

このような症状がある方はご相談ください

  • 前回の月経から24日以内に次の月経が始まった
  • 妊娠の可能性はないのに、前回の月経から1ヶ月以上たっても次の月経が始まらない
  • 3ヶ月以上月経がない
  • 閉経前で月経周期が乱れている

ピルについて

当院では、女性のお悩み別に合ったピル処方を行っています。
避妊や、生理不順、月経痛、月経前のイライラ、緊急避妊、月経日を移動させたい、副作用が少ない方がいいなどの目的に合わせて適切なピルを処方し、症状の改善を目指します。

【画像】ピル

ピルの効果

ピルは避妊薬としてのイメージが強いかもしれませんが、月経困難症、月経不順、月経前症候群、月経過多、ニキビの改善、子宮筋腫や子宮内膜症の進行を遅らせるなどの効果が期待できます。
「ジェミーナ」は約3ヶ月連続内服、「ヤーズフレックス」は最大4ヶ月連続内服できますので、通院の頻度も少なくすみます。

また、避妊できなかった場合の緊急避妊薬としても使用されます。

ピルの種類

低容量ピル

2種類の女性ホルモンである黄体ホルモンと卵胞ホルモンを合わせてできたピルです。
避妊の効果、月経痛や、月経前症候群などにも効果があります。

緊急避妊薬

何らかのトラブルで、避妊できなかった場合72時間(3日)以内に服用し、受精卵の着床を防ぐピルです。低用量ピルよりもホルモンの含有量が多くなっています。

月経移動ピル

部活の合宿がある、旅行などの大切な予定と月経期間が被りそうなとき、前もってピルを服用することで月経を移動させられます。

ピルを処方できない方

  • 産後6ヶ月以内の方
  • 35歳以上でタバコを15本/日以上吸う方
  • 前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛がある方
  • 子宮がんや乳がんの既往歴がある方
  • 美容目的で、トラネキサム酸を日常で服用している方

ピルの副作用

  • 吐き気
  • 乳房の張り
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 少量の出血

多くは初期症状で、最初の1ヶ月~2ヶ月に現れます。
継続していくことで症状はなくなっていきます。
また、稀ですが血栓症(血液が凝固して血管を詰まらせる症状)を起こすことがあります。
当院では初回と数ヶ月ごとに血液検査をして血栓症のリスクを最小限にしております。

ピルの料金(自費診療)

  • ジェミーナ、アリッサ、ヤーズフレックスは保険診療のため、患者さんによって負担金額が異なります。
月経移動ピル1回¥3,500
緊急避妊ピル(レボノルゲストレル錠「F」)1回¥10,000
アンジュ28、マーベロン28、トリキュラー28、1回¥2,500
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