一般婦人科診療

婦人科診療について

主な婦人科疾患

  • 月経困難症
  • 月経前症候群
  • 更年期障害
  • 子宮腺筋症
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 異常子宮出血
  • 子宮脱(骨盤内臓脱)
  • 子宮頸がん
  • 性感染症
  • おりもの異常

当院で対応する検査

  • 子宮頸癌検査
  • 子宮体癌検査
  • 超音波検査
  • ホルモン検査
  • 尿検査
  • コルポスコピー検査
  • 性感染症検査

漢方処方について

当院では漢方治療を行っております。
月経前症候群、月経困難症、子宮筋腫、子宮内膜症、更年期障害、便秘 、冷え症、つわり、不妊症、ダイエット、イライラなどで様々な症状に合わせて処方いたします。

【画像】漢方薬

更年期障害

更年期障害とは

閉経し、卵巣機能の低下に伴うエストロゲン(女性ホルモン)の減少と、社会的、環境的、個人的要因などが複雑に絡み合い、器質的な疾患がないにも関わらず、自律神経失調症状を中心とした多彩な不定愁訴を主とする症候群です。
発症は閉経前後で、いつ始まりいつ終わるのかについても個人差があります。

【イラスト】更年期のエストロゲンの変化

このような症状はご相談ください

  • 月経異常(周期が短い、経血量が多い)
  • のぼせ
  • ほてり
  • 発汗や動悸
  • 倦怠感
  • 抑うつ感
  • イライラ
  • 不眠
  • 腰痛
  • 肩こり
  • 消化器症状 など

更年期障害の検査

一般診察や、超音波検査、血液検査を行います。

治療について

漢方処方やプラセンタなどの治療法があります。

プラセンタ療法

更年期障害の治療を目的とした45歳~59歳までの女性の方は、保険適用で治療が受けられます。また美容目的の方は、自費のプラセンタ注射を使用しています。

プラセンタの注意事項

  • プラセンタ注射を美容目的で使用することは未承認の医薬品であるため自由診療となります。
    入手経路は国内販売代理店経由から取り寄せています。
  • プラセンタを1回でも注射をすると、献血ができません。
    これまで国内・海外でも感染の報告はありませんが、プラセンタ注射によるウイルスや細菌混入の可能性を完全に否定できないためです。
  • 副作用のリスクとして注射部位の腫れ、赤くなる、発熱、発疹などがあります。
    ごく稀にアナフィラキシーショックをおこすおそれがあります。

子宮腺筋症

子宮腺筋症とは

月経痛や月経血量の過多などの症状を引き起こす子宮腺筋症は、子宮平滑筋組織の中に子宮内膜に似た組織ができる疾患です。
子宮腺筋症がある箇所では子宮筋層が肥厚し、全体に広がっている場合は子宮全体が大きくなることもあります。
原因は明らかにはなっていませんが、女性ホルモンの1つであるエストロゲンがこの病気に影響があると考えられます。経産婦や40歳代の女性に多くみられます。

【イラスト】子宮腺筋症

このような症状はご相談ください

  • 月経痛がひどい
  • 月経の量が多い
  • 不正出血
  • 月経時以外にも腹痛・腰痛

子宮内膜症の治療法

鎮痛剤、鎮痙剤、止血剤など症状に合わせて治療法をご提案いたします。

子宮内膜症

子宮内膜症とは

子宮内膜症は、子宮の内側にある内膜と呼ばれる組織が、通常よりも子宮の外に広がってしまう疾患です。
卵巣など子宮周囲に発生することが多く、その余分な内膜は普段と同じように成長・剥がれることができないことで、炎症を起こし、腹痛や生理の時に出血が増えます。
20〜40歳代の性成熟期の女性に好発し、不妊の原因にもなるとされています。
お腹の中の状態や内膜の厚さ、卵巣の状態などを確認するため超音波検査を行います。

【イラスト】子宮内膜症の図解イラスト

このような症状はご相談ください

  • 不妊
  • 月経を重ねるごとに増強する生理痛(月経困難症)
  • 慢性骨盤痛
  • 性交痛
  • 排便痛

子宮内膜症の治療法

治療には患者さんの年齢、症状の度合い、病変部位、重症度、将来的に妊娠を希望するなどを総合的に考慮し治療方針を決定します。

  1. 薬物療法
  2. 手術療法

子宮筋腫

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは、子宮内にできる良性の腫瘍です。
婦人科の腫瘍性疾患で最も多く、30歳以上の女性では20〜30%の方にみられます。
大きさや位置によっては激しい痛みのほか、排尿障害、便秘など様々な症状が現れます。
筋腫ができる明確な原因はないですが、エストロゲンという女性ホルモンが大きく影響しています。女性ホルモンが低下して閉経を迎えると小さくなることが多いです。
命にかかわる病気ではありませんが、筋腫ができる場所によっては不妊の原因や、妊娠中に発覚した方は早産や流産になる可能性もありますので、定期的な検査をして早めに治療することをおすすめします。

【イラスト】子宮筋腫の図解イラスト

このような症状はご相談ください

  • 貧血(鉄欠乏性貧血)
  • 月経の経血量が多くなった
  • 不正出血がある
  • 不正部痛
  • 頻尿
  • 腰痛
  • 不妊

子宮筋腫の治療法

治療と経過観察の判断は、過多月経による貧血の程度、圧迫症状、疼痛、筋腫の大きさと存在部位、妊娠希望などを総合して行われます。

  1. 経過観察
    明らかに良性で、無症状、妊娠希望がない場合には3~6ヶ月ごとの検診を行います。
  2. 薬物療法
    貧血改善や鎮痛薬などの対処療法のほか、
    低容量ピルを服用し筋腫の成長を止めて症状の改善を目指します。
  3. 手術療法
    • 筋腫核出術
      子宮筋腫だけを取り除く手術方法です。将来妊娠を希望していて、妊娠を邪魔する場所に筋腫がある方に有効です。
    • 単純子宮全摘術
      筋腫が多発していたり、根治を目指したい方、子宮を摘出することに抵抗感がない方に向いている手術方法です。

異常子宮出血

異常子宮出血とは

子宮内に何らかの異常があり、出血することを指します。
長期間の出血、極度の出血量、頻繁な出血、または不規則な出血があったり、血の塊や濃い出血がみられることもあります。

原因としては子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症などが挙げられます。他にもホルモンバランスの乱れ、卵巣の問題、子宮頸部の疾患、更年期障害、ストレスや栄養不良などが考えられます。

このような症状はご相談ください

  • 通常の生理期間よりも長く出血が続く
  • 通常の月経より、多くの血が出る
  • 月経周期に関係なく、予期しない時期に出血がある
  • 通常とは異なる血の色や血の塊がみられる

異常子宮出血の治療法

治療にはホルモン療法や経口避妊薬を使用します。
患者さんの年齢や症状の重さ、妊娠を希望しているかなどを考慮して、治療法をご案内いたします。

子宮脱(骨盤内臓脱)

子宮脱とは

本来は子宮を支えるための筋肉(骨盤底筋)が、加齢とともに緩んでしまい、子宮の一部または全体が腟から脱出してしまう状態をいいます。原因は他にも肥満や、便秘、立ち仕事など様々ありますが、出産が多く関係しております。
閉経を迎える中高年ごろから、ご高齢の方まで発症します。

このような症状はご相談ください

  • 下腹部痛
  • 股に何か挟まった感じがする
  • しゃがむときは引っ込み、立つと何かが出てくる感じがする
  • “おりもの”の量が増える
  • 排尿・排便障害
  • 尿漏れ など

子宮脱の治療法

  1. 運動療法
    症状が軽い方は、骨盤底筋を鍛える運動で改善の効果がみられます。
  2. ペッサリー療法
    子宮が落ちてこないようペッサリーという器具を挿入する方法です。
  3. 骨盤底の修復手術
    年齢や生活スタイルに応じて手術することがあります。

子宮頸がん

子宮頸がんとは

子宮頸がんは、子宮の入り口付近の「子宮頸部」にできるがんのことです。
ほとんどの場合、ヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルス感染が関連しています。
HPVに感染すると、ウイルスが細胞の中で異常を引き起こし、その異常な細胞が増殖してがん細胞となることがあります。
HPVに感染したら、必ずがんになるということではありません。ほとんどの方が体の抵抗力で、自然にウイルスを退治してくれます。HPVの特定の種類に感染したごく少数の方が、がんに進行するといわれています。

子宮頚がんの症状

子宮頸がんの初期症状はほとんどありません。
進行していくと、お腹の痛みや出血、性行為後に出血することがあります。

子宮頸がんの治療法

進行度によって治療方針が異なります。

  • 進行度分類について
    Ⅰ期…子宮頸部のみに存在するもの
    Ⅱ期…子宮頸部を超えているが、がんのすぐ近くのみに浸潤しているもの
    Ⅲ期…子宮頸部を超えているが、骨盤の近くまで浸潤しているもの
    Ⅳ期…骨盤を超えて広がり、膀胱や直腸の粘膜まで広がっているもの

子宮頸がんの前段階(前癌病変といいます)の段階とⅠ期の中でも大きさが小さいものであれば、子宮頸部の円錐切除術、または子宮全摘術を行います。
Ⅰ〜Ⅱ期であれば、子宮全摘術(+場合によっては骨盤リンパ節郭清)を行います。
Ⅲ〜Ⅳ期では化学療法、放射線療法などを行います。
当院では手術ができる医療機関へ紹介を行います。

予防はできるの?

予防策として、子宮頸がんワクチンの接種が推奨されています。
当院では平成9年度生まれ~平成18年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)の方のキャッチアップ接種を行っています。

性感染症

性感染症(STI)とは性交渉(性器、性器-口腔、性器-直腸)の皮膚または粘膜の接触により感染する疾患の総称です。

性感染症は感染すると、痛みやかゆみ、異常な分泌物、排尿困難などの症状が現れることがあります。また、一部の性感染症は重篤な合併症や不妊症の原因となることもあります。

性感染症の種類について

淋菌感染症

淋菌による細菌感染症で、一般的に性感染症(STI)として起こります。
女性は、子宮頸管炎、尿道炎を起こしますが、症状が軽いため放置されやすく、骨盤内炎症性疾患(PID)に至ると不妊や異所性妊娠の原因となります。

発症

性交後2~7日

症状

  • 膿性のおりものの増加
  • 外陰部のかゆみ
  • 不正出血
  • 排尿時痛
  • 外尿道口からの排膿
  • 発熱
  • 下腹部痛
  • 腹膜刺激症状 など

検査

確定診断は遺伝子診断法または培養法によって行います。

治療

点滴か抗菌薬を筋肉注射する方法があります。

クラミジア感染症

クラミジア属のうちクラミジア・トラコマティスを病原体とする性感染症(STI)です。
クラミジアは、性感染症の中で最も多い感染症です。
女性は症状が非常に軽いため、無症状の場合が多く感染を自覚しにくいことが特徴です。
そのため感染が長期化し、不妊や異所性妊娠の原因となります。

発症

(女性の場合)性交後1~3週間以降

症状

  • 透明でサラサラしたおりものが増加
  • 不正性器出血
  • 下腹部痛
  • 不妊、異所性妊娠
  • 激しい上腹部痛

検査

確定診断は抗原検査法としての遺伝子診断法によって行われます。

治療法

抗生物質を処方いたします。

カンジダ外陰膣炎

常在菌であるカンジダ属の繁殖によって起こる性器の炎症です。
性行為などで移行したカンジダが繁殖したり(外因性感染)、もともと腟内に常在していたカンジダが何らかの誘因により繁殖したり(内因性感染)して発症します。
性交後の女性、妊婦、糖尿病、ステロイド服用、免疫抑制薬の服用、抗菌薬の服用歴がある人になりやすいです。

症状

  • 外陰部のかゆみ
  • 発赤
  • 腫脹
  • 白色のおりものの増加(酒粕状、粥状、ヨーグルト状)

検査

臨床所見による判断で十分診断可能ですが、確定診断は培養法や鏡検法によって行うことが望ましいです。

治療

カンジダは常在菌のため、無症状のパートナーの治療は必要ありません。

症状を有する場合には、症状を誘発する原因の除去、膣洗浄や抗真菌薬の内服または膣錠、外用薬などを用いて治療を行いますが、無症状の場合には治療は必要ありません。

膣トリコモナス

膣トリコモナス症は、鞭毛虫類に属するトリコモナス原虫によって引き起こされる炎症性疾患であり、腟、外陰を中心に発症する性感染症(STI)です。

発症

(女性の場合)性交後5日~1ヶ月間より

症状

外陰部のかゆみ、悪臭のある黄色〜淡い灰色、泡沫状のおりものの増加、膣壁の発赤がみられます。

検査

確定診断は、膣分泌物の鏡検でトリコモナス原虫を検出します。

治療

治療法には口から薬を服用する「経口服用」の方法と、膣内に薬剤を投入する「膣剤」の方法があります。

性感染症の検査料金について

性器クラミジア
性器淋菌
2項目¥準備中
咽頭クラミジア
咽頭淋菌
2項目¥準備中
おりもの
(トリコモナス・カンジダ)
1項目¥準備中
HIV1項目¥準備中
梅毒1項目¥準備中
B型肝炎1項目¥準備中
C型肝炎1項目¥準備中
HIV
梅毒
2項目¥準備中
B型肝炎
C型肝炎
2項目¥準備中
HIV
梅毒
B型肝炎
C型肝炎
4項目¥準備中

おりもの異常

おりものとは

“おりもの”とは、女性の生殖器から分泌される卵の白身のような粘り気のある分泌液です。
膣内の酸性度を調整し、細菌や他の有害な微生物の侵入を防ぎます。
酸性の環境は、膣内の健康な善玉菌(乳酸菌)の増殖を促し、感染症のリスクを低下させ、膣内の老廃物、細菌、異物を排除する役割も果たしています。
通常、排出されるおりものは膣内を自然に浄化し、健康な状態を保つのに役立ちますが、おりものの量や臭いの変化で思わぬ病気が隠れている場合があります。

このような症状はご相談ください

  • ピンクや茶色など血が混じっている
    • 子宮頚管炎、子宮頚管ポリープ、子宮頸がん、子宮がん
  • 酒粕、豆腐のようにポロポロしている
    • カンジダ膣炎
  • おりものが水っぽく、量が多い
    • クラミジア頚管炎、卵巣のう腫
  • 生臭い刺激臭
    • 細菌感染
  • クリーム色で陰部にかゆみがある
    • トリコモナス膣炎
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